任天堂VS筐体の話

 
 表題を見て「任天堂」vs「筐体」だと思った方はいませんか?
そんな話では無く、「任天堂VS筐体」と言うれっきとした名称の話です。

 1983年に家庭用で「ファミリーコンピューターファミコン)」を発売した任天堂ですが、
この頃は業務用ゲーム機も製造・販売を行っておりました。ゲームセンターで
パンチアウト」が人気を博していた頃です。

 


 販売が好調なのか家庭用のテコ入れかは当時小学生だったスタッフKでは判りませんが
同社は業務用として「任天堂VS筐体」を投入しました。鮮やかな赤色の三角形でモニターを二台使用し
、向かい合わせで遊べる特徴的なこの筐体は85年頃に同社が業務用を撤退するまでソフトが供給されました。

 発売当時は「vsテニス」の販売で、すぐに「vsベースボール」も発売され、ファミコン
普及の強力な援軍となりました。
 表現能力はファミコンとほぼ同じなのですが、ちゃんと業務用との差別化も考えられていて、
「向かい側で遊んでいる人と対戦出来る」と言う特徴がありました。対戦台の元祖みたいですね。


  

 その筐体の性能を活用した「バルーンファイト」で縦スクロールを行い、
レッキングクルー」では壁の向こうで見えない相手と闘う事が出来る等ゲームセンターならでは
の仕様にハマった方も多かったのではないでしょうか。スタッフKは「アイスクライマー」で
ボーナスチップを探す作業にハマっていましたが・・・

 85年に家庭用の「スーパーマリオブラザーズ」のヒットを受けて同社は業務用から
撤退することになりましたが、筐体はそのまま活用出来た為、他社より改造キット等で
延命して90年頃までは比較的ナムコの直営店を中心にゲームセンターで見かけました。



 一番最後に活用されたのは92年にカプコンから「ストリートファイターII」が発売
された時にコントロールパネルを加工して対戦台として使われた時でしょうか・・・
 いまでは殆ど見かけない筐体となってしまったのが残念です。


スタッフ:K