リブルラブルのお話


 ギャラクシアン以降の1980年代のナムコゲームと言うのは当時のゲームファンにとっては神みたいな存在で、発売される各タイトルがゲーム性、音楽、キャラクター等どれ一つ取っても素晴らしく、当時のパソコンに移植されると言う話だけでそのパソコンを購入候補にするような時代でした。

 そんな中、1983年に発売された「リブルラブル」はとにかく異色でした。一画面のパステル調色彩の画面に可愛いキャラクターが敵の中、プレイヤーは「リブル」と「ラブル」を操作して囲んで退治(バシシ)してクリアするゲームです。基板にナムコ初の「MC680000」CPU(パソコンのX68000と同じ)を使用したり、操作系はクレイジークライマーやロッククライマー等採用例が少ない「二本レバー」使用とハイスコアも点数では無く、妖精を全部囲む事で起こす「奇跡」を何回起こしたか等当時ではナムコゲームでもとても異色であり、画面のカラフルさとは裏腹に操作性に難がある為、パソコン以外に家庭用に移植されたのはスーパーファミコンWiiだけなのが残念です。

 さすがにナムコも販売が難しいと感じたのか当時では珍しい「豆本」や「バシシマーカー」を作成・配布し、提供ラジオ番組「ラジオはアメリカン」等でもCMを打つ等積極的な営業を行なって来ましたが、一般プレイヤーには先に挙げた「二本レバー」の難易度が高く感じられた為、直営店やリース店舗以外では見かける事も少なく、基板のみの一般販売はあまり出回ってはいないようです。

 その為ナムコ社内でも基板が余ってしまったようで、基板活用の為「トイポップ」が作られましたが、こちらもあまり売れなかったようです。折角のゲーム性があってもマニア以外の一般プレイヤーがインカムを落とさないと売れないと言う実例にもなってしまいました。
 

スタッフ:K