コピー基板の技術力 その2


 先日はストリートファイターIIのコピー基板の話題をしましたが、今回は有名なシューティングシリーズである「雷電(初代)」の話題を致します。

 「雷電」は「サイオン」や「スティンガー」を作ったセイブ開発より1990年に発売されたシューティングゲームで、現在もゲームセンターでシリーズとして発表されている息の長い作品です。もう四半世紀も前の作品なのですね。当時グッズとして「下敷き」が作成されており、それを見ると各ボスに名前があり、最終面のボス名は「ドレイネージ=コア」等公式でもアナウンスされていない事等が書かれております。


 シューティングの雄である東亜プランがこの雷電の年に限って正統派なシューティングを出していなかった為、「雷電」は発売当時緻密なグラフィックと適度な難易度、渋いVGMやSEもありゲームセンターでサラリーマンを中心に支持され、また海外でも大ヒットとなりかなり売れておりました。国内でも入手困難な時期もあった為、海外版を購入したお店もありました。



 当然コピー基板を作る業者も見逃すはずも無く、カスタムチップを使用しているにも関わらず早速コピーされてしまいました。基板を見比べると判りますが、1枚基板に小さめのサブボードを載せた純正基板に対しコピー基板は大きめの基板のニ枚重ね。汎用TTLを多用しているので当然ではありますが基板が大きく見えてしまいます。

 特に目を剥くのは、FM音源チップのコピーが載っている所です。「雷電」はYAMAHAの「YM3812(OPL2)」と言うニチブツ麻雀基板等に搭載されている物ですが、このコピー基板にはそのFM音源チップコピーが搭載されているのです。他には見掛けない音源の為驚きました。


 早速基板を立ち上げてどんな音が出るか聞こうとしたのですが、AMP廻りが壊れているようで音が出る気配がありません。以前紹介した「ストリートファイターIIコピー」でも音が少し違って聞こえていた為今回の音源でも違って聞こえる筈なので非常に残念です。

 折角なので一度修理してどういった音が聞こえるか試してみたいと思います。その際は公開出来るように致しますのでご期待下さい。

 

スタッフ:K