カプコンCP2基板のお話


 昔から人気ゲームを制作している「カプコン」の
代表作と言えば「ストリートファイター」シリーズ
ですが、その中でも「ストリートファイターIIX」や
ヴァンパイアハンター&セイヴァー」シリーズは
今でもゲームセンターで対戦台が置かれる程人気があります。
 この各タイトルで使用されている基板は「CP-SYSTEMII」と
言い、比較的初心者に扱いやすい基板です。

 この基板の初出は1993年、「スーパーストリートファイターII」   
と同時に発表され、それまで使用されていた「CP-SYSTEM」にCPUの
処理速度を強化、専用チップである「Qサウンド」を搭載し世代交代
を図りました。オペレーションの簡素化とセキュリティを目的とした
「全面をプラスチックのカバーで覆う」と言う基板らしからぬ基板で
一般プレイヤーでも扱い易くなり、基板屋でも初心者向けにお薦めして
いました。今でも買取がありますと高確率で出てくる基板です。

 この基板には目的によりカートリッジの「色」を分けていて、
通常は「緑」なのですが、北米やヨーロッパでは「青」、アジアでは「灰」、カプコンが自社ロケやレンタル契約しているお店では「黄」等と分けて販売し、アジア等海外の安い所から移動しにくいよう「灰」カートリッジではコネクタ形状を変え対策を行なっていましたが、末期ではその区別も無くなり他社開発製品で国内流通でも「青」や「黄」のカートリッジを多数見掛けました。


 また、一枚基板版も存在しておりますが、情報を総合すると「ウォーザード」等に使用された「CP-SYSTEM III」のパーツを流用しているようで、映像信号が同タイトルでも強かったりと細かい差異が確認出来ます。

 この基板でのもう一つの特徴は「バッテリーバックアップ電池を内蔵していて、電池が切れるとセキュリティで起動しない」と言うはた迷惑な機能が「CP-SYSTEM」より引き継がれており、個人的には「意地悪電池」と呼んでいます。
 基板は業務用製品の為、本来では一般ユーザーに修理対応する理由が無いにも関わらず、電池交換・修理の受付を行う(送料別8k〜20k程度)と言う良心的対応を行なっており、思い入れがある基板を有償ですが直して貰えます。

 しかし、最終作品の発表より10年以上も経過した為修理受付に関しては一部を除き、今年度末(2015年3月)をもって終了となります。もしカプコンの故障したレトロゲームで思い入れがあるのでしたら早目に修理に出す事をお薦め致します。


スタッフ:K